2012年5月1日火曜日

糀・麹(こうじ)について


  

「こうじ」は「糀」「麹」と2種類の漢字を用います。どうして2つもあるんだろ?
と疑問に思い、当時、九州で修業していた私は「こうじ造り」の師匠に聞いてみました。
すると・・・「こうじ」という漢字はどちらかに「米」と「麦」という漢字が入ってるだろ?

原料で米を使う「こうじ」は「糀」。麦を使う「こうじ」は麹だよ。

おー!!これは分かりやすい。なるほど。納得です。

小話はこの辺にして、本題に入りましょう。笑

皆さんに「こうじはどうやって造るんだ?」とよく聞かれます。
米を蒸すところから、「こうじ」になるまで写真付きで解説させて頂きます。笑
*此処ではひらがなで「こうじ」とします。漢字の場合はどち らでも正しいと思います。

「こうじ」の造り方
通常「こうじ」は3日間かけて造ります。

では1日目。

早朝、米を浸水して蒸気で蒸します。

次に蒸米を冷却させます。

麻袋から蒸米を出します。

広げます。

手を入れて冷却。かなり熱いです。

種麹(たねこうじ)といわれる「こうじ菌」を蒸米に混ぜます。


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粉のようなものがこうじ菌です。

40℃くらいまで下がったら
蒸米にこうじ菌を素早く揉み込みます。
モタモタしてたら品温が下がってしまいます。
一度下がった温度ははなかなか上がりません。
この工程はかなり重要です!!テストに出ます。笑

続いて、米の温度が下がりすぎないように素早く布で包みます。

ぐるっと。

その後、麹室(こうじむろ)といわれる(室温30℃湿度約90%)部屋に寝かせます。

2日目。
米は一晩麹室の中で過ごした後、朝方に変化が・・・。
麹室での高温多湿な環境&「こうじ菌」の働きにより米同士が固まり発熱しています。

米が固まるのは「� �うじ菌」の菌糸が伸びているから。
熱量も凄いです。放っておくといつまでも発熱しています。

微生物の力で起こる発熱、応用して地球のために何かできないでしょうか?

朝は「こうじ」の温度が40℃以上になります。
ここで熱を逃がしてあげなければ良い「こうじ」はできません。
「手入れ」と言って米の塊を崩します。塊を崩しながら新鮮な外気を入れてやります。
手入れにより、再び菌糸が伸びていきます。
こうじ菌の菌糸が効率よく働くような環境を作ってあげるのが私たちの役目です。

お客様からご注文いただいたものは
麹蓋(こうじぶた)又は箱麹(はここうじ)という長方形の木の箱に入れて、こうじを造っていきます。

前置きが長くなってしまいました。笑


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ここでは盛り込みという作業をします。
整理しますと・・
@菌糸が伸び、米同士がくっついて発熱しています。
A冷却するため、手を入れて塊をほぐしてやります。
B続いて、枡に移します。これが麹蓋1枚分です。

枡から麹蓋へ。

こうじの温度が下がりすぎないようにするために少し山にしておきます。

この作業を繰り返し、下記のように積んでいきます。
注)写真は山になっていません。こちらは夕方の写真です。

改めまして、夕方に山を崩し、再び手入れです。
麹室が暑いのでレンズが曇ってしまいました。笑
レンズを拭くと上記の写真のようになります。

夜中に、もう一度手入れ� �ます。手入れは朝、夕方、夜の三回。
夏と冬では環境も違うので、その時の状況に応じて「手入れ」の回数は変わります。
麹蓋は多い時は一度に50枚近くやるんですよ。

分かりにくいと思いますが、麹がウネウネと波打っているのが分かります?
3回目の手入れです。
発熱が活発になってきたので「波=山と谷」を作って温度を分散させています。
手入れごとに、最初は「山」、二回目は「平面」、三回目は「山と谷」という感じです。

最終日。
ここまでくれば、もうほぼ完成です。
麹室から出来上がったこうじを出します。これを出麹(でこうじ)と言います。


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最後に「こうじ蓋」に張り付いている「こうじ」をキレイに剥がし、

もう一度手入れをして完成となります。

剥がすのも量が多いと一苦労です。笑
こいつは陰の主役ですね。創業時のものでまだまだ現役です。後でキレイにしてやります。

こうじ蓋法のデメリット
温度管理が難しいので、朝・夜問わず労力と神経を使います。
また、こうじ蓋の数が多ければ人手も必要とされますね。
うちは全ての工程を二人でやってますけどね(笑)

こうじ蓋法のメリット
機械製麹(こうじの発熱を自動で制御しながら造る)に比べると・・・
「こうじ」の仕上がりが格段に良い!!これに尽きます。
酒蔵でも純米や吟醸クラスとなるとこの麹蓋法で造る蔵がほとんどです。
やはり科学や機械の力では分からない部分が醸造の世界にはあるんじゃないでしょうか。

「こうじ」の仕上がりは酒だけではなく、味噌や醤油にも影響します!!
これは間違いないです。
仕込んだ後の過程でも出来の良い「こうじ」はしっかり仕事をしてくれているのです。

良 い「こうじ」とは?
表面が雪のように真っ白くなった「こうじ」

見た目がきれい。良いこうじですね。

一概には言えませんが、私たちが良い「こうじ」としているものは、


米の中心部に向かって菌糸が食い込んでいる「こうじ」。

こうじを割ると中まで白いのが良い「こうじ」です。どうです?見えます?
見苦しい手ですいません。笑
心こめて「こうじ造り」に励んでおります。

分かりずらい説明でしたが
少しは理解して頂けたでしょうか?

味噌造りに興味のある方はぜひ当社の「こうじ」をお試しください。

「こうじ蓋法」は完全受注生産ですので多少お時間を頂きます。ご了承ください。

皆さんがご自宅で造った米を「こうじ」にすることも出来ます。
自分で造った米で味噌が造れるのは贅沢ですよね♪

☆お気軽にお問い合わせください☆お待ちし� �います☆
TEL 029-875-0002 
mail inf/p>

潟с}イチ味噌 担当:坪井



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